2007/05/14

少し死んだ

すし詰めの通勤電車。
何処へ立とうとかもう決められないし
漂着したところに踏ん張って立つしかない。
例えそれがキチガイ君の隣だとしても。

入り口から押され押されて流れ着いたところにヤツはいた。
どんなに混んでいても気が狂ったように
自分のテリトリーを主張するヤツだ。
まぁ、たまに居るんだけど、ヤツはなかなか強情だった。
どうしようもないのに、人の頭を肘で押し続ける。
どこへも行けないのに。
あんまり力を込めて押すものだから
腕がぷるぷる震えてるんだ。
それでも気が狂ったように押すんだ。

どこかの駅で更に押されてヤツの後側へ流れ着いた。
今度は体を不自然にひねって斜め後方を押している。
やっぱり腕に力が入りすぎてぶるんぶるん震えている。

こんな時、ヤツが武器を持っていたら乱射するんじゃないだろうか?
同時にわたしが武器を持っていたらヤツを刺したりするんじゃないか?
そんな風に考えていた。

こんなどうでもいい事だけど、わたしの心は少し死んだ。

ただ、帰宅途中に探していた本を買いに本屋さんへ行った。
すると、ずいぶん長くお知り合いのこの方のデビュー作が文庫になっていた。
最近おサボリをして、ご本人の日記やコミュを覗いて居なかったので
本屋さんで初めて知った。
嬉しい驚きと共に、もちろん購入した。

少し生き返った。

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